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デジタルツイン · 2026-10-10 · 9分
ODPTのオープンデータで作る東京の交通デジタルツイン:都営大江戸線と都電荒川線
都庁前駅の出口と早稲田停留場をIFCモデル化し、東京の公共交通データに反応させました。大江戸線の運行状況、ホームにいる列車、通過するバス、停留場に停まる路面電車です。ODPTのオープンAPIを使ってブラウザー上で動作し、GTFS-Realtimeのprotobufはページ内でデコードします。
新宿の3Dマップ上にIFCモデルとして表示した都庁前駅 A4出口。ホームにいる列車の番号がライブで上に浮かんでいる
東京は世界でも有数の稠密な公共交通網を持ち、そのリアルタイムデータの多くがオープンになっています。公共交通オープンデータセンター(ODPT)は、都営の列車、路線の運行状況、バスの位置を、キー不要のエンドポイントで公開しています。
この2つのシーンは、そのデータを2つの駅のIFCモデルに結び付けます。東京都庁に隣接する都営大江戸線の都庁前駅 A4出口と、都電荒川線(東京さくらトラム)の終点である早稲田停留場です。どちらも完全にブラウザー内で動作します。
この記事のポイント
- ODPTの公開エンドポイントは、都営の列車、運行情報、バスのGTFS-RealtimeをキーなしかつCORS対応で提供しているため、Webページから直接読み込めます。
- GTFS-RealtimeはJSONではなくprotobufです。ページ内の小さなデコーダーが、ライブラリもサーバーも使わずに読み込みます。
- 交通データが示す列車の位置は駅単位で、メートル単位ではありません。その精度に見合ったもの、つまりホーム、サイン、バス停の標柱にバインドします。
- 日本の平面直角座標系と国土地理院の地形データにより、どちらのモデルもOpenStreetMapに対して数cmから約1mの範囲に収まります。
都庁前駅 A4出口:1つの出入口に3つのフィード
試してみる:都庁前駅 A4出口
東京都庁のそばにある出口の上屋を、国土地理院の地形上に開きます。都営マークが大江戸線の運行状況を示し、駅名標はホームにいる列車の番号とともに点灯し、バス停の標柱はバスが通過すると点灯します。

インタラクティブなIFCビューアーを開く
| 要素 | ライブデータのソース | 点灯する条件 |
|---|
| 都営マーク | 運行情報(odpt:TrainInformation)、60秒ごと | 大江戸線で15分以上の遅延が報告されていない間は緑 |
| 駅名標「都庁前駅」 | 列車(odpt:Train)、30秒ごと | 列車が都庁前駅にいるか、発車した直後。列車番号が上に浮かぶ |
| バス停の標柱 | 都営バスのGTFS-Realtime、30秒ごと | 直近10分以内にバスが停留所「都庁第一本庁舎」を通過した |
停留所ポールをクリックすると、詳細カードに都営バスのGTFS-Realtimeフィードによるライブ状態(ここではまだバス待ち)が、要素のIFCデータと並んで表示される。
バスのフィードはGTFS-Realtime[gtfs-rt]で、JSONではなくProtocol Buffers形式です。シーンでは、この用途のために書いた小さなデコーダーでページ内でデコードしています。確認したときはいつも、フィードには470〜540台の都営バスが含まれていました。列車と運行情報のフィードは、同じ公開エンドポイントから取得するJSON-LDです[odpt]。
早稲田:停留場の路面電車
試してみる:早稲田停留場
都電荒川線の終点、早稲田停留場を開きます。電車が停留場に停車している間は両側のホーム端が点灯して上に番号が浮かび、発車案内の画面には路線の運行状況が表示されます。

インタラクティブなIFCビューアーを開く
上から見た早稲田停留場。ライブデータで変わるのはホームの縁と発車案内表示。停留場自体の建物を表すOpenStreetMapの輪郭1つは、モデルを覆わないようシーンで非表示にしている。
荒川線(現在の愛称は東京さくらトラム)は、都営の路面電車で唯一残る路線です。終点・早稲田停留場のモデルは、レール、ホーム、上屋、発車案内画面を備えたIFC 4.3の鉄道モデルです。電車のバインディングは都庁前駅と同じ列車フィードを読み、電車の位置が早稲田になるとホーム端を点灯させます。運行状況のバインディングは、画面のLEDマトリクスを色分けします。
東京の座標を正しく合わせる
どちらのモデルもJGD2011 / 平面直角座標系第IX系(EPSG:6677)でジオリファレンスされ、国土地理院の10mメッシュ標高タイル[gsi]の上に立っています。この地点では、平面直角座標系の座標北と真北の差は約0.08°です。小さな差ですが、ビューアーはこれも補正するため、モデルは地図と同じ向きになります。
OpenStreetMapと比較して計測しました。どちらも、ベースマップの描画とまったく同じ方法で投影しています。
| 対象 | OpenStreetMapの地物 | 距離 |
|---|
| 都庁前駅の出口モデルの原点 | A4出口のノード | 0.01m |
| OSMをもとに配置したケヤキ | 配置元の樹木ノード | 0.26m |
| 早稲田2番線の中心 | 荒川線の線路のウェイ | 0.14m |
| 早稲田1番線の中心 | 荒川線の線路のウェイ | 1.16m |
2026-10-10に実行中のビューアーで計測。
一般的な手法と、それを怠ったときに起きる問題は、IFCの座標とジオリファレンスで解説しています。
ODPTからわかること、わからないこと
- 列車は「駅にいる」か「2駅の間にいる」かのどちらかです。そのため駅名標は、都庁前駅にいる列車だけでなく、発車した直後の列車でも点灯します。
- 都営バスはGPSで追跡されていません。各バスは最後に通過した停留所に置かれるため、標柱はバスの通過後10分間点灯します。
- 運行情報が報告するのは15分以上の遅延だけで、テキストは日本語です。
- 10mメッシュの地形は、都庁前駅で測量標高より約3m、早稲田で約2m高い値を示します。モデルは測量標高ではなく、地形の表面上に置かれています。
- モデルは説明用の再現モデルであり、事業者の記録ではありません。
同じシーン形式で、バルセロナのオープンデータ・ツインではシェアサイクルと充電のデータから都市の広場を、ヘルシンキのバスターミナルではMQTTでライブのバスを動かしています。
ODPTのオープンデータで作る東京の交通デジタルツイン:都営大江戸線と都電荒川線